オンラインでシンポジウムを開催する際の成功のポイントとは

シンポジウムのオンライン化が進んでいる?

シンポジウムはさまざまな業界・分野においておこなわれてきましたが、そのほとんどが会場を借りて集客をする「会場型開催」でした。しかし近年は、コロナ禍をきっかけにオンライン開催が増えつつあります。今後はオンライン開催が1つのスタンダードになるといってもよいでしょう。

そこで今回は、シンポジウムのオンライン開催を成功させるポイントや、注意点を解説します。オンライン開催の経験が少ない企業・団体のご参考になれば幸いです。

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シンポジウム開催の意義とは?

シンポジウムとは1つのテーマを決めて登壇者が報告・発表・意見交換をおこなう催しです。論者たちの報告・発表のあとは、参加者と質疑応答や意見交換をおこなうことが多く、さまざまな角度からの知見が得られます。

シンポジウムに似たものに「セミナー・講演会」がありますが、この2つは似て非なるものです。シンポジウムは登壇者・参加者の「テーマに対する発表、意見交換」が主な目的です。切り口が異なる複数の論者が登壇することで多角的な意見が得られるほか、テーマに対する理解を深めることができます。

一方セミナーは「教育、指導」が目的です。参加者も講師の話を聞いて「学ぶこと」を目的にしています。質疑応答がおこなわれることもありますが、意見交換を重視していないためあくまで“セミナーを構成する要素の一部”にすぎません。

シンポジウムをオンライン開催する際のポイント

オンライン開催でシンポジウムを成功させるには、どのようなポイントを押さえておけばよいのでしょうか?
ここではシンポジウムのオンライン開催を成功させるためのヒントをご紹介します。

プログラムを作り込んで進行をスムーズに

会場型のシンポジウムの場合、登壇者によっては30分~1時間ほど話し続けることも珍しくありません。しかし、オンラインの場合は視聴者の集中力が持たず、飽きてしまうことがあります。プログラムを作り込んで進行を細かく決めておくとともに、1人あたりの発表時間を10~20分程度に設定するとよいでしょう。

あらかじめ1人あたりの持ち時間を短めに決めておくことで流れにメリハリがつき、視聴者側も興味を持って視聴し続けられます。発表が終わったら質疑応答の時間を持つなどの工夫もおすすめです。

司会進行役の人選・ホスト権限の付与

オンライン開催の場合、進行を取り仕切る司会の存在は重要です。発表者の入れ替わりや話し始めのタイミングの指示、持ち時間の管理などが上手い人を採用しましょう。万が一のトラブル時にアドリブでうまくつないでくれる人ならなお良いでしょう。

なお、専門性の高い内容の場合に多いのですが、「視聴者の発言が長引く」「議論が白熱しすぎて中断できない」という事態が起きることがあります。この場合は司会者が無理にでも遮って進行をコントロールしましょう。

ちなみに、司会役の人にカメラやマイクのON/OFF、画面共有の解除ができるような権限を持たせておくのも良い方法です。ホストと司会の両方で配信のコントロールができるので、進行させやすくなります。

登壇者へのケア

登壇者の中にはリモート開催に慣れていない方もいます。完全リモート配信の場合はリハーサルで事前テストをおこない、操作や映り方、進行の流れを入念にチェックしましょう。これは登壇者が1つの場所に集まる場合も同様です。

また、本番中は配信画面とは別に関係者専用のチャットを準備しておきましょう。細かな指示や変更、どの質問を拾うかなどを話し合うのに便利です。

参加者のハードルを低くする配慮

オンラインシンポジウムの成功には、参加へのハードルを低くすることも大切です。
参加者に対し招待URLを送付する際には、「必要なツール・工程」「登録方法」「推奨される視聴環境」をわかりやすく伝えることが大切です。チャート形式で誰でもわかるように説明するとともに、不明点があったときのためにQ&Aのウェブページ、問い合わせ先を明記しておくと安心です。

アーカイブを残しておく

オンラインシンポジウム開催の折には、ぜひアーカイブを残しておくことをおすすめします。
アーカイブを残しておけば、当日参加できなかった人や内容を振り返りたい人がいつでも視聴できるようになるからです。参加中にネット回線の不調などでアクセスできなかった人も、アーカイブが残っていれば未視聴部分を確認できるようになります。

また、シンポジウムの内容を文字に起こす際にも役に立つでしょう。Zoomなどのツールでは、YouTube等での同時配信ができる機能があります。このような配信サイトではアーカイブを残せる機能、目次の設定機能がありますので、ぜひ利用してみてください。

SNSの活用

最近ではシンポジウムの際にSNSを活用している企業・団体も多くみられます。
例えばTwitterの場合、リアルタイムで発言をすることができるうえ、ハッシュタグを活用して1つのテーマに対するさまざまな意見を知ることが可能です。開催側がハッシュタグを利用して意見を拾いやすくなるだけではなく、視聴側にも意見が可視化されるため、議論がより活発になります。

SNSを活用するには、シンポジウム開催側がアカウントとハッシュタグを作成しておく必要があります。開催側がハッシュタグを付けてアーカイブへの誘導ツイートを投稿するのも良い方法です。

配信環境を万全に整えておく

オンライン配信では開催側の配信環境を万全に整えておくことが重要です。安定した動画配信ができるようネット回線や配信設備を整える、配信テストで映像や音声に問題がないかを確認する、などの準備をしておきましょう

オンラインシンポジウム開催の注意点

オンラインでシンポジウムを開催する場合、次の注意点を把握しておくことが大切です。

トラブル時の待機要員を準備しておく

オンライン開催の場合、「配信の接続トラブルが発生した」「登壇者のネット回線が不調でリモート出演できない」などのトラブルが起きることも珍しくありません。シンポジウム成功のためには、トラブルが起きたときのために待機要員を準備しておきましょう。

特に、配信接続トラブルが長時間続くのは致命的です。配信の経験・心得が不十分な場合は、専門知識が豊富な配信代行にお願いしておくのも1つの方法です。

視聴者のトラブル対応は最小限の範囲で

オンライン開催では「ネット接続できない」「視聴用ツールが使えない」などの問い合わせも少なくありません。しかし視聴者対応担当が少人数の場合、個別に対応していると進行に影響がでてしまうことがあります。
あらかじめQ&Aを作成して誘導し、それでも解決しない場合は対応するというふうに、最小限の範囲にとどめるべきです。
また、どうしても運営担当の人数が揃えられないという場合は、視聴者対応担当の人員だけを外部業者に発注するという選択肢もあります。

待機中や終了後に表示する画面を作っておく

オンラインシンポジウムに不慣れな場合、配信開始時にもたついているところがそのまま配信されてしまうことも。接続設定が完璧になるまでの間に表示できるサムネイルを作っておきましょう。配信開始前と配信終了後用の2種類があるとベストです。
サムネイル作成時にQRコードを入れて意見投稿用フォームなどに誘導するのもよい方法ですので、余裕があれば試してみましょう。

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オンラインシンポジウムを自分たちで開催するのはハードルが高い!

シンポジウムのオンライン配信は「テレビ放送」に近い要素を持っています。仮に登壇者が一定の場所に集まって配信をおこなう場合、臨場感を出すためにカメラワークや視点のスイッチングといった高度な技術が必要になります。

また、本記事でご紹介したように「ケアすべき部分」が多いのもシンポジウムならではの特徴です。
“オンライン配信への造詣が深い人材”がいるのであれば話は別ですが、もしそういった人材がいない場合、スムーズに進行しようとするとかなりハードルが高いでしょう

そのため、シンポジウムをオンライン開催する際は「配信代行」の活用をおすすめします。

オンラインシンポジウム成功のためには「配信代行」を活用しよう

配信代行とは、配信前の準備から本番のサポートまでを代行してくれるサービスのことです。配信ツールの提案や構成のアドバイス、設営・撤収・オペレーションのほか、カメラのスイッチング、複数配信メディアへの接続などの代行も依頼可能です。

集合型イベントがオンライン開催されることが増えた昨今では、配信のサポートとして配信代行サービスを利用する企業・団体も増えています。
配信代行に外注をすることで開催側の負担を大幅に減らすことができれば、プログラムの策定・内容の打ち合わせなどに時間を割けるようになります。高度な専門技術を外注するうえ、指定の会場に呼ぶこともできるため、費用対効果としても高いといえるでしょう。

シンポジウムの内容を充実させながらスムーズな配信ができれば、会の成功にもつながります。
オンラインシンポジウム開催の折には配信代行の力をうまく借り、満足度の高い催しを目指しましょう。

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