会社の成長を担う人材育成の観点から、表彰イベントを考察してみましょう。表彰イベントは、単に「社員を表彰する」ことだけが目的ではありません。社員を表彰することで、企業としての経営方針を具体的な形で全社員に伝えることができる「場」でもあるのです。
そこで、社員のモチベーションを高める企業風土を、表彰イベントの開催から作り出す方法を紹介します。

企業生存率は社員のモチベーション次第?

「企業生存率」をご存知でしょうか? これは、会社を設立して何年生き残っているかを表した言葉です。
帝国データバンクの調査によると、設立して10年後まで生き残っている会社は全体の6.3%だそうです。ちなみに、設立20年では0.3%、30年後まで生き残っている会社は驚くなかれ……わずか0.025%にすぎない! つまり、1000の会社が起業しても、10年後には937社が廃業・倒産。極端にいえば30年後に至ってはほぼすべての会社が存続していないことになります。
ここからわかるのは、起業よりも安定した会社経営の方がはるかに難しいということです。では、「安定した会社経営」とはどういうものなのでしょう?
ひとことで言ってしまうと、組織全体を常に上向きのベクトルに乗せる経営ということになります。経営とは組織運営のことです。つまり、組織内にいる社員・スタッフを、会社の成長戦略に合わせていかに組み込み、コントロールするか、ということが重要になってくるわけです。そう考えてみると、社員の仕事に対するモチベーションというのは、会社経営を上向きのベクトルに乗せるためには、非常に大切な要素になることがわかります。自社の企業生存率を高めるためには、社員のモチベーションを高める演出が必要になるわけです。

社内表彰イベントはモチベーションのカンフル剤

社員の仕事に対するモチベーションを高める演出のひとつとして、社員表彰イベントがあげられます。表彰制度を設けている会社の多くが、社員を表彰することで、会社内のモチベーションが高まると考えています。
たとえば、ひとりの社員が何かの行動を起こし、それが成果につながった場合。会社はその成果に至った行動を評価し、表彰します。社員を評価したという一点で、「その結果に至った行動」そのものを会社の正しい方針と認めることにつながるわけです。すると、そこに社員の行動指針が自然に生まれます。
組織運営の立場からすれば、表彰制度は、社員一人ひとりの行動指針を作り出すためのイベントになるといえるでしょう。一方、社員の立場からすれば、表彰された社員の行動が全員のモデルケースになります。そして社員全体の意識が同じベクトルに向かいやすくなります。

ユニークな表彰制度を実践している会社

表彰制度といえば、業績に著しく貢献のあった社員を表彰するのが一般的です。大型契約を成約した営業マン、ヒット商品の開発者、革新的な技術を生み出した技術者……という具合に「成功した行動」に対して表彰します。ところが、「失敗した行動」をクローズアップし、評価対象にしている会社があります。
機械部品を製造・販売するあるメーカーでは、業務で失敗した社員を選考し、年に2回「大失敗賞」という賞を贈っています。これは、新しい技術やアイデアを形にするには無数の失敗が必要であるという、技術会社ならではの社風に基づいた表彰制度だといえるでしょう。失敗を恐れてはいけない、失敗こそが成功の礎になるから、どんどん大きな失敗を繰り返しなさい……このような会社としての方針を、「大失敗賞」として表彰することで、社員全員に示しているのです。

「頑張りを正当に評価する」表彰イベントのコツ

最後に、表彰イベントを開催するための具体的な3つのポイントを紹介しておきましょう。

1.表彰イベントの目的を明確に定める
社員への「感謝」「敬意」を形にすると同時に、会社の今後のビジョンを全社的に共有するものになっているか? 表彰内容をドキュメントにし、全出席者で共有しましょう。
2.表彰イベントの具体的な条件を決める
参加人数、予算、場所、日にち、イベント参加者の内訳、ゲストなどを決定。表彰する側の役職者には早めに告げましょう。受賞者へのねぎらいの言葉を考える時間が必要です。
3.インパクトのある演出を構成する
参加者が飽きずに最後まで楽しめるプログラム構成を考えます。会場も、自社の会議室ではなく、場を変えてレンタルスペースや貸し会議室を利用。ケータリングでドリンクや軽食を用意するとさらに特別感を演出できます。
「頑張れば正当に評価される風習」を社内に作り出すためにも、あなたの会社でも、表彰イベントを積極的に開催してみませんか?

参考:
組織の活性化、従業員のモチベーションを向上させる「表彰制度」