自信をもって案内できる!会議室における上座のルール

ビジネスシーンではお客様や上司を会議室に案内することがよくあります。そのようなときに、迷うことなく自信をもって「こちらの席にどうぞ」と言えますか?「上座は会議室の入り口から一番遠い席」と覚えている人が多いかもしれませんが、会議室のレイアウトはさまざまですし、社内外の人が一堂に集う会議では、座っていただく位置がわかりにくいでしょう。上座には基本ルールと押さえておきたい例外があります。いざというときに慌てることなく、スマートに案内できるようにしましょう。

 

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そもそも上座と下座って何?

ビジネスではあらゆる席に席次といわれる順位があり、上座から下座まで座るべき人が決まっています。席次はいわばビジネスマナー。相手に不快感を与えないための大切な決まり事なのです。たとえば、その場にお客様がいるケースでは上座はお客様が優先。たとえ、お客様が若年者であっても上座に案内します。また、席次の順番は役職や社歴、年齢を考慮して、役職が上の人や社歴が長い人、年配者が上座に座ります。まずは役職で判断し、役職が同じなら、社歴を参考にします。もし、役職と社歴が同じ場合は、年齢が高い人が上座です。
新入社員なら、お茶出しを頼まれることがあるのではないでしょうか。お茶出しにも順番があり、上座の人から順に配ると覚えておきましょう。

まずは上座の基本ルールを覚えよう

「上座」って難しそうと思われがちですが、基本ルールはとても簡単です。まずはこれらをしっかり押さえてください。

入り口から一番離れた席が上座

入り口から一番離れた奥の席は、人の出入りがなく落ち着いているため上座です。最も居心地が良い席には立場が高い人に座ってもらうと覚えてきましょう。一方で、騒がしい入り口近くが下座です。一般的に新入社員は下座に座ることが多いものの、状況によっては別の席に座るなど、柔軟に対応するとよいでしょう。

右か左か迷ったら「左上位」を思い出して!

日本では伝統的に「左上位」というしきたりがあります。これは並んだときに当事者の左側の人が役職や身分が高いというものです。気を付けたいのは、向かって正面から見ると、右側が上位になること。また、ひな壇がある場合は、そこから見て左が上位になります。ただし、国際的には「右上位」が原則のため、海外からのお客様の場合は臨機応変に対応したいところです。オリンピックの表彰台を思い出すといいかもしれません。

レイアウトによって変わる上座の考え方

基本ルールを押さえても、実際はさまざまなレイアウトの会議室があり、上座の位置がわかりにくいこともあります。いくつか具体例を見ていきましょう。

ロの字の場合

入り口から一番遠く、なおかつ中央にある席が上座となります。続いて上座に近い席で入り口から遠いほうに2番目に立場が高い人が座り、続いて上座をはさんで反対側に3番目、そして2番目の人の隣が4番目となり、その後も交互に席次が決まります。入り口のドアが左右どちらかに寄らずに中央にある場合は、左上位のしきたりに従い、上座から見て左側に2番目に立場が高い人が座り、上座をはさんで反対側に3番目、2番目の人の隣に4番目と、交互に座っていきます。なお、議長がいる場合は、上座にまず議長が座り、続いて議長以外の中で立場が高い順に席次が決まります。

コの字の場合

基本的にコの字の場合は、机がない面の反対側の中央が上座です。続いて、上座に近い席で出入り口に遠いほうから順に、ロの字のケースと同様に交互に席次が決まります。入り口が中央の場合は、左上位のルールで左側に立場が高い人が座ります。

対面式の場合

対面式の場合は、会議の参加人数と来客の有無によって上座の位置が異なります。まず、一般的な対面式なら、入り口から一番遠い奥の席が上座になり、続いて上座の隣の席、次が向かいの椅子で入り口から離れたほうの席、最後に入り口近くという順番になります。また、2社間の会議などで3人以上のお客様を会議室に招く場合は、入り口から離れた席の中央が上座で、その上座の左右で入り口からの距離が遠いほうが2番目、その反対側が3番目と続きます。自社側の席次もお客様の席次と合わせて、席の中央に立場が高い人が座ります。

円卓の場合

基本ルールに従って、入り口から一番遠い席が上座です。左上位のルールに従い、上座から見て左側が2番目、右側が3番目となり、上座を中心に左右に交互の順番で続きます。

間違いやすい上座

和室の場合は床の間の前が上座になります。2番目が床の間の隣にある「床脇」といわれる棚の前で、最も入り口に近い席が下座です。床の間がない場合は、基本ルール通りに入り口から遠い席から順に上座となります。
洋間の応接室で、長椅子と一人用の椅子がある際は、長椅子が上座です。たとえ、長椅子が入り口に一番近くても、長椅子を上座とするのが一般的です。椅子の種類による上座は長椅子、一人用の肘掛け椅子、一人用で背もたれがある椅子、背もたれがない椅子の順番です。
高層階のオフィスや庭が美しい料亭などは、上座の位置にこだわらず、景色が一番よく見える席をお客様や立場の高い人に案内しても喜ばれます。ただし、失礼にならないために「こちらの席は景色がよく見えるのでいかがですか」と事前に伝えておきましょう。
会食などで飲食店を使う場合や、貸し会議室を利用する際に、上座の位置がわかりにくいときは、あらかじめ係の人に聞いておくといいでしょう。

乗り物の上座を押さえよう

エレベーターでも上座のルールを活用するシーンが意外と多いものです。また、自動車や電車の上座を覚えておけば、出張なども安心です。乗り物の上座も基本ルールをもとに考えれば大丈夫です。

エレベーターの場合

エレベーターは乗るときから気配りをしたいものです。下座の人は扉の上下ボタンを押して立場の高い人たちを先に誘導してから最後に乗り込み、操作盤の前に立ちます。操作盤の奥が上座になり、下座である操作盤の前に向かって、時計回りもしくは反時計回りで順に席次が決まります。降りるときも下座の人がボタンの操作をして上座の人を優先します。

自動車の場合

専任の運転手がいる場合やタクシーでは、運転席の後ろが上座で、助手席が下座です。後部座席に3人座る際は、最も高い立場にある人が運転席の後ろ、2番目が助手席の後ろ、3番目が真ん中の順番です。また、取引先や社内の人が運転する場合は、助手席が上座となり、その次に運転席の後ろ、助手席の後ろ、真ん中の順番です。

電車の場合

新幹線などでボックス状になっていない横並びの座席では、進行方向に顔が向く席の窓際が上座、次が通路側、最後が真ん中という順番です。一方、ボックス席の場合は、進行方向に顔が向く席の窓際が上座、2番目が上座の向かいの窓際、3番目が進行方向に顔が向く席の通路側、4番目がその向かいの通路側、5番目が進行方向に顔が向く席の真ん中、6番目がその向かいの真ん中の順番です。ただし、体格が大きい人同士が向かい合わせになると足元が窮屈な場合や、トイレに行きやすいほうがいいといった理由で上司が自ら通路側を希望する場合などは、臨機応変に対応しましょう。

相手を敬う気持ちを忘れずに

上座のルールは難しそうと思うかもしれませんが、一度覚えてしまえば、意外と簡単なものです。まずは、いろいろな会議室で実際にシミュレーションしてみるといいかもしれません。
もしあなたが取引先の会社に出向いた際に、会議室に通されて先に座っていてくださいといわれたら、どうしますか?
もちろん、上座に座っていいのですが、自ら上座に座るのが気後れするようなら、下座に座るか立って待っていましょう。あとで上座に案内されるはずなので、そのときは遠慮なく上座に座ります。逆の立場で考えてみてください。せっかく案内したのに上座を拒否されてしまったら困ってしまうものです。もしかしたら、案内してくれた担当者が上司に上座のルールを知らないと思われて、怒られてしまうかもしれません。相手の敬意に気持ちよく応えることもマナーなのです。
上座の考え方の基本は相手を敬う気持ち。席次を間違えないことも大切ですが、そのことばかりに気を取られて、業務や会議に集中できないのでは本末転倒です。ミスをしても、礼儀正しく謝れば誠意が伝わります。ぜひ上座の基本をマスターして、スムーズに案内できるようになりましょう。

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