動画倍速再生は企業の教育・研修に影響する?

昨今では、「動画倍速再生」を利用して数倍速で動画視聴をする方も増えています。

 

もし動画倍速再生を企業の教育・研修へ活かすことができれば、より効率よく学習効果が得られそうですよね。しかし中には「動画倍速再生にすることで教育効果が落ちるのでは?」と気になる方もおられるでしょう。

 

ここでは動画倍速再生が企業の教育・研修へ与える影響や、企業が教育・研修に動画配信を活用するメリットなどをご紹介します。教育担当者様は記事を参考にしていただき、効果的な社員教育へとつなげましょう。

 

動画の倍速再生とは

動画倍速再生とは、動画コンテンツの速度を速めたり、遅くしたりして視聴することです。

 

動画をスロー再生する場合にも使われる言葉ですが、一般的には「1.2~1.5倍に再生速度を速めて視聴する」という意味合いで使われる場合が大半です。

 

株式会社Jストリームが2021年に実施した調査によると、20代~50代の会社員(対象者444名)のうち、倍速再生で動画を視聴したことのある人の割合は76.6%。

 

うち15.8%は「いつも倍速で視聴している」と回答するなど、動画倍速再生が一般化しつつあることが明らかになりました。

 

参考:動画の倍速再生、企業の教育・研修や情報共有での利用状況 – ブログ – Jストリーム

動画の倍速再生は教育に影響するか

動画倍速再生が珍しいものではなくなっている今、「企業の教育・研修における影響はどうなのか」と気になる方も多いでしょう。

 

動画倍速再生と教育効果についての相関性については、アメリカで発表された研究論文にて「動画を倍速で見ても、学習理解度は変わらない」という結論が出されています。

 

参照:Learning in double time: The effect of lecture video speed on immediate and delayed comprehension – Murphy – – Applied Cognitive Psychology – Wiley Online Library

 

動画倍速再生をしても十分な学習効果が得られる

上記の研究では、ディロン・マーフィー氏(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)が、学生ら231人を対象に実験を実施。

 

YouTubeで「不動産鑑定」「ローマ帝国」の講義を、通常速度、1.5倍速、2倍速、2.5倍速で視聴してもらい、全てを視聴した直後と1週間後にテストを行いました。

 

テストは動画講義の理解度をはかるためのものでしたが、「通常動画」「1.5倍速」「2倍速」については同程度の成績となり、理解度に大きな変化はなかったことが判明したのです。

 

また「動画倍速再生による学習効果」の研究は、日本の早稲田大学でも行われています。

参照:映像コンテンツの高速提示による学習効果の分析

企業の社員教育×動画倍速再生で「時間の有効活用」が可能に

1.5倍速や2倍速で動画を視聴できれば、通常の3/4~1/2の時間で学習ができます。

 

時間の有効活用ができるうえ、学習内容を繰り返し学びやすくなるため、脳に定着しやすくなる効果もあるでしょう。つまり企業が動画倍速再生を活用すれば、効果的に社員教育が行える可能性が高くなるのです。

 

動画倍速再生で時短をしながら学べるようになれば、スキマ時間を活用した学習ができます。そうなれば、集合研修にこだわらない“新たな学習の形”を実現できるのではないでしょうか。

企業の教育・研修を動画配信するメリット

動画倍速再生で社員の教育・研修をするためには、当然「動画配信」の実施、及び「動画コンテンツ」を用意する必要があります。

 

ここでは企業内の教育・研修を動画配信で行うメリットを見ていきましょう。

 

時間や場所にとらわれない

動画配信による研修には、時間や場所にとらわれることなく実施できるメリットがあります。

 

これまで主流だった集合・対面型の教育研修は、勤務時間や開催場所などの制約が生じます。これにより「参加したいのにできない」「参加するけれど移動時間のせいで通常業務に支障が出る」などの問題がありました。

 

しかし、動画配信による教育研修であれば、場所に関係なく受講できます。またオンデマンド配信であれば、時間の制約もなくなるでしょう。

通常の研修よりも高い学習効果が期待できる

動画配信での教育・研修は、通常の研修に比べ高い学習効果が期待できます。文面のみや口頭のみの説明に比べ、受講者の興味を引き出しやすいからです。

 

事実、近年ではOJTを動画化して入社前教育へ活用している企業も増えています。

 

教育レベルのばらつきを減らせる

社員教育担当の皆様は、「講師や研修会場によって教育レベルにばらつきが出てしまう」と感じたことはないでしょうか。教育内容や教え方にムラが生じると、狙った研修効果が得られません。

 

一方動画なら講師の教え方・場所などに左右されることがなく、一定の質を保ったまま研修プログラムを実施できます。

何度も見返すことができる

動画教材の良いところは、一度制作をすれば何度でも見返せる点です。社員にオンデマンド型の動画を提供すれば、好きなタイミングで繰り返し教育が受けられます。

 

特に業務の基礎、ビジネスマナーといった新入社員向け研修や作業マニュアル、資格対策講座などは、繰り返し見られる動画教材に向いているでしょう。

 

また動画なら倍速再生もできるため、「覚えたところは倍速で、よくわからないところは通常速度で」という視聴の仕方もできます。社員が自分のペースで学習しやすいのは、動画配信ならではのメリットだといえるでしょう。

時間や人件費の削減につながる

集合型研修の開催には会場費や移動費、宿泊費、運営人件費講師への謝礼など、多くのコストがかかります。

 

しかし動画配信なら、大きな会場を借りる必要もなく、最小限の配信スタッフのみで運営が可能です。準備に必要な時間も、集合型研修に比べて少ないケースがほとんどです。

事前録画をしてオンデマンド型配信をする場合は、さらに費用を抑えられるでしょう。

 

また社員教育・研修の動画配信には「学習状況のデータ管理がしやすい」というメリットも。

 

受講履歴などを活用すると教育計画が立てやすくなり、教育担当者の業務効率化、ひいては人件費の削減にもつながります。

質の高い企業の教育動画を作成するには?

質の高い教育動画を作成するには、教育内容に精通した人材が必要。そのうえで、安定したクオリティの動画を配信・制作できる技術も重要となります。

ただし、動画配信や制作には一定のノウハウが必要です。企業によっては、動画制作のノウハウが構築されておらず、教育研修の動画化・内製化が難しい場合もあるでしょう。
フクラシアでは、配信サポートサービス、及び動画撮影・編集サポートを行っております。配信や動画化につきましては、専任のコンシェルジュがご要望をお伺いし、最適なプラン・内容をご提案いたします。

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