「社長や重役の意見が絶対」……そんな会議では、良い議論を展開するのは難しいもの。会議の場では、誰もが自由にのびのびと意見を伝えられるようなルールを設けることが大切です。しかし、会議の質を上げるためのルールも、その数が多すぎると会話が弾まなくなることも。今回は、会議の活性化・効率化を実現させるために、最低限決めておきたいルールをご紹介します。
日産にみる会議のルールの成功例
退屈、意見が言えない、時間がかかるなど、ネガティブなイメージを抱かれやすい会議。会議に長い時間を費やしたはずが、結論が出なかったというケースも少なくなく、コストパフォーマンスの低さを懸念する声も少なくありません。
しかし、会議は企業にとって欠かせない議論の場。有効な時間にするためには、コストパフォーマンスを高められるルールを設けることが大切です。参加者の誰もがのびのびと意見を発表し、それについて深く議論できる場にするためには、一体どうすればよいのでしょうか。 そこで注目したいのが、画期的な会議の方法を採用している日産の事例です。
意思決定者は会議の途中で退席する
日産の会議で特筆すべきは、「意思決定者は最初と最後のみ出席する」というルール。意思決定者は多くの場合、出席者のなかでトップに立つ人物が務めるものです。トップの人物の発言は非常に影響力が大きく、たとえ反対意見があったとしても、言い出しにくくなってしまう傾向があります。
そのため、日産では、意思決定者の参加によって顔色をうかがうための会議にならないよう、意思決定者に退席してもらうのです。そして、発言者が誰かわからないように無記名でホワイトボードに意見を並べ、そのなかから意思決定者が採否を決めます。こうした工夫によって、日産の会議では、出席者が安心して活発に議論を効率的に進めることができるようになったそうです。
議事録を作らない
日産の会議でもう一つ特徴的なのが、議事録を作成しない点です。議事録の作成は簡単ではなく、意見が対立してしまうと、なかなか完成しないことも。日産でも例外でなく、議事録の確認作業を行っていると、表現の修正や内容の変更を依頼されることがあったといいます。議事録を作成することによって、せっかく会議で決めたことが覆されるようでは本末転倒。決定事項を生かすためにも、議事録の作成をやめたのだそうです。
議事録の代わりに用いられるのが、会議で利用した模造紙やホワイトボードを撮影した写真。これらを議事録として用いることで、議論を生かし、議事録作成に要するコストカットも実現しました。
細かいルールが会議の質を下げている可能性も
会議をより良くしようと、いくつもルールを作る企業もありますが、これは考えもの。ルールを細分化してしまうと、会議の質が低下するおそれがあります。
ルールが増えれば増えるほど、「こうするべき」という枠の中で議論を行わなければならなくなります。「こうするべき」の数が増えるほど、出席者にとっての制約が生まれてしまい、言いたいことが言えなくなったり、発想力が低下したりすることも。
できるだけのびのびとした、出席者が意見しやすい環境をつくるためには、ルールは最低限にしておくことをおすすめします。
最低限のルールで発言しやすい環境をつくろう
会議において必要なのは、出席者が臆することなく発言できる環境を整えること。日産が導入したルールは、他の企業でも取り入れやすく、会議の活性化・効率化に大変有効だといえるでしょう。あまり細かくならないように最低限のルールを設け、実りある会議を実現しましょう!
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