セミナーやワークショップなどの参加型の研修は、参加者の発言や参加者同士の交流が大切です。企画者側はここをうまく演出できれば、セミナーやワークショップを成功へと近づけさせることができるでしょう。緊張し過ぎないようにしてもらうには、リラックスを促すことも重要です。

緊張とリラックス。この2つのバランスを上手に取ることで、セミナーやワークショップへの参加者の集中力が高まります。参加者が適度な緊張感をもってセミナーやワークショップに臨める、緊張とリラックスを上手にコントロールする方法とは?

緊張しすぎでは能力を発揮できない?!

人は緊張しすぎていると能力を十分に発揮できません。そのため、緊張しすぎている場合はリラックスを促し、適度な緊張感を持たせる程度の状況にもっていく必要があります。緊張しすぎると、なぜ能力が発揮できないのか、その理由をみていきましょう。

緊張が体にもたらす異変

緊張すると心臓の鼓動が高まってドキドキすることが多いですが、これは心拍数が上がっているためです。また、呼吸も速くなり、まるで肩で息をしているような状態になってしまう人もいるでしょう。極端な例ですが、そうした状況を想像してみればわかりますね? 心臓の鼓動が速まり、息が浅くなって、極度な緊張にあるような状況です。このような状態だと筋肉も萎縮し、なめらかな動きができなくなってしまいます。

なめらかに体が動かないと、思ったとおりの行動が起こせず、能力を発揮できません。瞬発力の求められる短距離走のようなスポーツならこうした状況も時には効果的ですが、長い時間にわたって活動するセミナーやワークショップには逆効果です。

緊張が脳にもたらす異変

緊張状態は、脳にも異変をもたらします。過度なストレスが脳にかかるため、正常な判断ができなくなってしまうのです。いつもは良いアイデアが出るのに、なぜか、会議になると出てこない……。これも、緊張が脳にもたらす異変のひとつですね。

セミナーやワークショップも同様です。過度な緊張は脳にプレッシャーをかけ、出てくるアイデアも出てこなくなってしまうでしょう。こうした緊張を解くことで、適度なストレスが脳にかかるようにすると集中力も高まり、セミナーやワークショップで能力を発揮できるようになるでしょう。

企画に盛り込みたい緊張を解く時間

このように、過度の緊張はセミナーやワークショップでのスムーズな発言や進行を妨げかねません。セミナーやワークショップを企画するなら、主催者として、ぜひ緊張を解くための時間もタイムスケジュールのなかに組み込みましょう。

無駄な時間に思えるかもしれませんが、急がば回れ。参加者の意見が出やすくなったり、意思の疎通がスムーズにいったりするので、セミナーやワークショップの効率が上がります。こうした時間を取り入れるタイミングは、セミナーやワークショップの最初のほうがオススメです。

セミナーを成功させるための「アイスブレイクゲーム」5選

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初対面の参加者が多数集まるセミナーを成功させるためには、参加者がリラックスしてセミナーを楽しめる空間を作ることがとても大切です。そこで、セミナー参加者が確実に満足できる「場の雰囲気」を作りだす、「アイスブレイクゲーム」を紹介しましょう。

アイスブレイクとは?

セミナーの空間を、参加者が積極的に楽しめる創造的な場にするためには、緊張した雰囲気を一変させる何らかのアクティビティが必要です。そのアクティビティとして、アイスブレイクゲームがあります。アイスブレイクは、「氷が溶けるように」思考が動きだし、和やかになり、活発になることを目的としています。ゲームの手法を取り入れて参加者が全員で行うことで、活発な雰囲気のセミナーを作りだすことが可能になります。

アイスブレイクゲームには、さまざまな種類があります。今回は、「数名~30名」程度の規模でできるゲームを紹介します。いずれも、セミナーの冒頭の5分から10分程度の時間を使って行います。

1.他己紹介

やり方は、まず、参加者をペアにします。ペアになった者同士が、1分間でたがいに自己紹介をします。次に、全員の前でペアになった相手を紹介します。相手を紹介することで、関心を持って、他人の話に耳を傾ける姿勢を作りだす効果があります。

2.グッドアンドニュー

事前にゴムボールを1つ用意し、参加者が輪になって向かい合います。まず、その中の一人にボールを手渡し、「この24時間以内で起こった良い出来事、うれしい出来事」を発表してもらいます。次に、ボールを輪の中の誰かに向けてトスします。ボールを受け取った人は同じように発表します。全員が発表して終了です。初対面という緊張感がほぐれ、たがいに対して親和性が生まれます。また、物事の肯定的な面に目を向けられるようになります。

3.言葉の足し算

参加者が輪になり、テーマを与えます。そのテーマで連想する単語を頭に思い浮かべてもらいます。司会者がランダムに選んだ人から順番に発言しますが、次の人は、自分の前の人が言った言葉をすべて記憶し、それを思い出しながら自分の連想した言葉を言います。つまり、発表の順番があとになるほど、記憶しなければならない言葉が多くなるというものです。途中で詰まった人には、他の人がヒントを与えることもできます。緊張感がほぐれ、集中力と協調性が養われるゲームです。

4.点呼

参加者が番号を言い合うだけのシンプルなゲームです。しかし、誰がどの番号を言うのか、事前に一切打ち合わせをしないため、その場でのアドリブ力や瞬発力、観察力、予測力が鍛えられます。やり方は、参加者が20人いるなら、1から20までの数字を、一人ずつテンポよく続けていくだけ。ただし、誰から始めてもいいし、どこで自分が参加してもいいので、数字が他の人とかぶります。数字がかぶったら、最初からやり直し。最後まで完走したところで終了となります。非常に単純なゲームですが、意外と盛り上がります。

5.じゃんけんミリオネア

人数分の「景品引き換えチケット」を用意し、全員に1枚ずつ配っておきます。「このチケットを賭けて、じゃんけん大会をしましょう」と宣言します。参加者は、自由に戦う相手を見つけ、勝負に挑みます。勝ったほうがチケットを手に入れられます。それを繰り返し、最後に残った2人で決勝戦。優勝者がチケットの総取りできます。負けた人には残念賞、勝った1人に特別なプレゼントを用意しておくと、より一層盛り上がるでしょう。これは、参加者の一体感を生みだすゲームです。

アイスブレイクは良好な人間関係を築くためにも有効

アイスブレイクゲームは、参加者の積極性や集中力を引き出し、その空間の雰囲気を友好的に変える手法です。

参加者が「また参加したい!」と思えるセミナーを作るためにも、アイスブレイクゲームを導入してみてはいかがでしょう?

セミナーやワークショップの合間に取り入れたいゲーム

アイスブレイクゲームで初対面の緊張も抜け、適度なリラックス感の中で進行しているセミナーやワークショップ。途中、だらけてしまったら、適度な緊張感を取り戻すために頭をリフレッシュさせる企画を盛り込むとよいでしょう。

人の集中力はいつまでも続くわけではありません。そのため、セミナーやワークショップでは、適宜、休憩時間を入れたり、リフレッシュするための時間を設けたりするとよいでしょう。5~10分程度の短い時間で十分です。

頭をリフレッシュするためのゲーム

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長時間続く研修では、参加者の集中力が低下してきます。研修の合間や、昼食後の眠くなりやすい時間を使ってリフレッシュできるゲームを取り入れましょう。

簡単にできるのが、あと出しじゃんけんゲームです。隣の人とペアをつくってもらい、どちらの人があと出しするかを決めてから行います。あと出しする人は、必ず負けるように出すのが、このゲームのポイント。ついつい勝つように選んでしまうので、負けるためには予想以上に頭を使います。文字を読んだり話を聞いたりするのとはまた違った頭の体操になるので、リフレッシュ効果が期待できます。

各自でできるリラックス方法

タイムスケジュールの中にこうしたゲームを取り入れるのが無理なら、休憩時間にできるリラックス方法を参加者に促すというのも一つのアイデアです。やり方を書いたペーパーを事前に渡してもいいですね。呼吸の仕方で緊張感をコントロールする方法は、道具も要らず、場所も取らないのでオススメです。体を軽く動かすストレッチも心身ともにリフレッシュできます。

リラックスを促す深い呼吸

緊張すると心拍数が上がり、呼吸が速くなることはすでに紹介しましたが、これを逆手にとって、呼吸をゆっくりさせることで、緊張を解き、リラックスを促すことができます。そのため、深呼吸を何回かすることもリラックスするのに効果的です。思いっきり息を吸って、何秒か止めたあと、ゆっくりすべての息を吐きだします。肺の中の空気を入れ替えるようなイメージで行うとよいでしょう。

脳を活性化するためには、新鮮な酸素が必要です。深呼吸で血液中に新鮮な酸素が溶け込むと、それが血管を通って脳へと送られます。深呼吸で脳がリフレッシュできるのは、そのためです。3分ぐらいでも意識的に深い呼吸をするとよいでしょう。

腹式呼吸で副交感神経を刺激

リラックスを促す呼吸でもっと有効なのは、腹式呼吸です。息を吸うとき、胸の部分ではなく、お腹をふくらませるようにします。こうすることで横隔膜が上下運動し、自律神経のうち、副交感神経が優位に働くようになります。自律神経は、寝ていても体の機能を働かせるための神経系統です。交感神経と副交感神経とがあり、前者が優位にあると人は興奮状態になり、後者が優位だとリラックスします。

腹式呼吸で副交感神経が優位になると、リラックスモードにスイッチが入ります。セミナーやワークショップで緊張を強いられた脳もリラックス。新たな気分でその後のカリキュラムに取り組めるようになるでしょう。

軽く体を動かしてリラックス

体を軽く動かすことでも、この副交感神経を優位にすることができます。大きく両手を上げて伸びをしたり、両手を体の前で振ったり、頭を前後左右に動かしたり、椅子に座ったままでできる動きもいいですね。下半身なら、足首を回したり、つま先を上げてふくはらぎを伸ばしたりなど、いずれも着席した状態でできる軽い運動です。

ずっと同じ姿勢でいた体をほぐすことは、気分的にも解放感が得られるので、セミナー中のリラックス方法としておすすめです。心身ともにリフレッシュできるでしょう。

隠れ技!アロマの力を利用する

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脳をリフレッシュさせるのに、アロマは即効性が期待できます。

コーヒーの芳ばしい香り、レモンティーのさわやかな香りなど、自分がリフレッシュできると感じるなら香りの種類にこだわらなくてもいいのでは? 嗅いだときに好感を持てる香りならOKなので、休憩中に好きな飲み物を飲むように促すのもいいですね。アロマの力で脳がリフレッシュ。リラックスしてセミナーやワークショップ参加を続けられます。

緊張とリラックス。バランスを保ってセミナーを成功へ

完璧なセミナー企画が立てられたとしても、参加する人のモチベーションが低いと実施しても効果が望めません。同様に、あまりに緊張しすぎても参加者は能力を発揮できないもの。適度な緊張感を保って運営するのが、セミナーやワークショップ成功の秘訣です。

初対面の人同士が集まるようなセミナーやワークショップならなおのこと、主催者は意識的にリラックスを促しましょう。緊張でがちがちに凝り固まった頭では、理解不足から内容が頭に入ってこなかったり、判断力がにぶることから良いアイデアが出てこなかったりしてしまいます。緊張とリラックス、参加者が2つのバランスを保てるようにリードして、セミナーやワークショップを成功へと導きましょう!

セミナーで貸し会議室を利用した事例