ワークショップとは?セミナーとの違い・種類やメリットを徹底解説
ワークショップ形式の研修の進め方

研修のスタイルには主にスクール形式とワークショップ形式とがあります。聴講中心のスクール形式と違い、参加型の研修ともいえるのがワークショップです。
スクールスタイルと違って、より能動的、活動的で予測不能な展開となる要素もあるため、はじめて企画するときにはちょっとした注意が必要です。
ワークショップ研修のメリットと運営時の注意点についてお伝えします。
有意義なワークショップ研修にするための秘訣です。

ワークショップとは?

ワークショップとは、参加者個々が考え、お互い協力し合い、与えられたテーマを元に展開するスタイルの会議や共同作業のことです。学校のオリエンテーションや地域での会合などに用いられ、企業では研修スタイルのひとつとして定着しつつあります。参加者同士が合意を得るための会議手法で、最終的な結論を共有することで研修成果がアップします。
ファシリテーターと呼ばれる進行役を設定し、参加者がテーマに沿って発言していきます。誰かの発言を否定するようなことは言わない、それまでの概念にとらわれず自由な発想で意見を言うなどが、基本的な決まり事です。
こうした決まり事を最初に共有しておけば、円滑にディスカッションを進められます。

ワークショップとセミナーの違い

セミナーもワークショップと同様、あるテーマについて学習や研究を行うための勉強会のことを言います。
ただし、ワークショップが参加・体験型の学習であるのに対して、セミナーは基本的に講師が一方的に教える形式のものが多いです。
ただし、ワークショップ形式での学習が一般化してきたのにともない、例えば1部は講師による講義、2部はワークショップでのグループ学習などといったプログラムで、ワークショップの要素を取り入れたセミナーも増えてきています。現在では、ワークショップとセミナーの区別は曖昧になってきていると言えるでしょう。

ワークショップの種類について

社会教育や芸術方面など一部の分野における学習手法として広まっていったワークショップは、現代ではさまざまな分野の教育や研修に取り入れるようになりました。具体的にどのような分野のワークショップがあるのか、主なワークショップの種類をご紹介します。

社会教育のワークショップ

自然環境や行政、まちづくりなど、社会的な課題をテーマとしたワークショップは、さまざまなものが開催されています。社会問題に臨むときには、さまざまな立場や考え方を持つ人がいることを理解しなければ始まりません。ワークショップ形式は、自分と異なる立場や価値観の人の意見を身を持って感じることができるため、社会教育に適した手法なのです。

芸術表現のワークショップ

ワークショップが世界中に広まっていくきっかけとなったのは、演劇におけるワークショップでした。演劇というものは、古くギリシア時代から「劇場(舞台)で役者が演じ、観客が観劇する」という形式が当たり前でした。しかし20世紀半ば、従来からの形式にとらわれない新たな形の演劇のあり方が模索されるようになったのです。そうした中で広まっていったのがワークショップでした。ワークショップでよく用いられるロールプレイングという手法は演劇的であるとも言えます。
演劇で盛り上がりを見せたワークショップは、やがて舞踊やダンス、ヨガなどの身体表現、さらには絵画や彫刻、現代アートなどといった芸術表現を体験し、学びを深める場としても一般化しました。手工芸など趣味の分野のワークショップも増えています。

ビジネスのワークショップ

ビジネスシーンにもワークショップは取り入れられています。例えば新人研修やマネージャー研修、役員研修など、それぞれのポジションにある人が自分や周囲の人の立場について理解するためのワークショップを行うことは多いです。
また、業務改善やクリエイティブ方面のプロジェクト進行などにおいて、ワークショップを行うことで課題やアイデアを探るなどといったケースも見られます。

学術分野のワークショップ

もともとワークショップは社会学、心理学的な学術分野において、教育・学習手法として生みだされたものでした。ワークショップが一般化するにともない、社会学や心理学以外の学術分野でも、研究者によるグループ討論などを主体としたワークショップ形式の研究会が開催されています。

ワークショップのメリットとデメリット

ワークショップのメリット/理解に実感がともなう

受け身の学習姿勢では、表面的に「理解したつもり」になりやすいです。ワークショップでの学習は、体験を通じて感じたり考えを深めたりできるため、理解に実感がともないます。「知識として知っている」だけではなく、「体験して腑に落ちている」という感覚を得られるのは、ワークショップに参加するメリットだと言えるでしょう。

ワークショップのメリット/さまざまな価値観に触れられる

講演や講義などを通じて学ぶ場合、基本的には講師の筋書きに沿って学ぶことになります。一本筋が通ったわかりやすい内容になる一方で、異なる見方や本筋から逸れる情報などはあまり知ることができません。ワークショップでは、グループ討議やロールプレイングなどを通じてさまざまな価値観に触れることができます。テーマについて多角的な視点で学びを深めることができるのです。

ワークショップのデメリット/参加しただけで満足してしまうことがある

ワークショップに参加すると、自分の意見を述べたり、与えられた役割を果たしたりする機会が多く、参加するだけで達成感や満足感が得られやすいです。しかし本来、ワークショップは何らかのテーマを学ぶためのものです。参加者の意識によっては、参加しただけで満足してしまって、十分な学びに結びつかないケースもあるでしょう。

ワークショップのデメリット/学べる内容が少ないことがある

講義などでは、専門家である講師などから、基本的な事項や最新の知見などテーマに関する内容を体系的に学ぶことができます。一方、ワークショップは参加者同士の関係がフラットであるのが基本。自分より多くの知見を持つ人から新たな情報を教えてもらうというような学び方とは異なります。ワークショップを通じて多くを学べるかどうかは、ワークショップの主催者や参加者次第で大きく異なり、場合によっては参加しても得る物が少なかったということがありえるのです。

ワークショップの注意点

活発なコミュニケーションが求められるワークショップにおいて、ファシリテーターの役割は大きいもの。研修の成果を大きく左右することになります。ファシリテーターの上手なリードはもちろん、進行が混乱しているようなら軌道修正することも、時には必要になってくるでしょう。
ワークショップを実施するには、適切な環境も大きなポイントになります。
最低限、これだけは必要と言えるものを見ていきましょう。設備の整った会場を準備することで、研修の成果もグッと高まります。貸し会議室やホテルの会議室を借りるなら要チェックです。

小部屋や小会議室の用意があるか

チームごとにわかれてのディスカッションには、周囲から影響を受けずに集中できる空間が必要です。小部屋や小会議室のような場所があるとよいでしょう。
大会議室しかなくても、パーテーションで空間を区切るだけで親密感が増します。ワークショップのチーム別ディスカッションには、このような集中できる環境を準備しましょう。

プレゼン用ツールの準備はあるか

参加者の気づきを促し、自ら行動する機会を創出するワークショップスタイルの研修。聴講するだけのスクール形式と違い、主体的にテーマに関わることになるので、参加者が研修で得るものも大きくなるでしょう。ポイントを押さえた開催で、研修効果を倍増させてください。
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ワークショップで研修効果をアップ!

ワークショップとはどのようなものなのか、種類やメリットデメリット、開催する際のポイントなどをお伝えしました。セミナーや勉強会、研修などを企画する際には、ワークショップ形式での開催を検討なさってみてはいかがでしょうか。
体験を通じた学習に適したテーマであれば、きっと実り多い講座になるはずです。

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