研修後、質疑応答になった途端、水を打ったように静かになってしまったことはありませんか?質疑応答を充実したものにできれば、参加者の満足度も上がりますから、より活発な時間にしたいですよね。
今回は、ファシリテーターをキーワードにした、参加者の質問を増やす2つの手法をお話ししましょう。
踏み込んだ呼びかけを行う~参加者が質問しやすくなる~
研修の終了後、よく「質問があればどうぞ。何でも大丈夫です」という呼びかけが行われます。
しかし、この呼びかけは意外に参加者の心に響かないため、質問が出にくいのです。参加者には「つまらない質問かもしれない」というためらいや「本当に何でも大丈夫なのか?」という不安があります。この心情を理解し、「参加者が質問しやすくなる呼びかけとは?」と、参加者の目線で考えることが必要です。そのためには、一歩踏み込んだ呼びかけを行うのが大切です。
例えば、「こんなことを聞いていいのかと思うことほど聞いてください」「参加者の皆さんと話がしたいので、ぜひお願いします」などです。前者は、参加者に安心をもたらし、後者は、参加者の背中を後押しします。「ファシリテート」とは、「促進する」「容易にする」という意味です。
質疑応答の時間に、講師が「ファシリテーター」として一歩踏み込んで、参加者の心情をサポートすることで、「質問を増やす」ことにつながるのです。
ファシリテーターの視点を学ぶ~参加者の意識を変える~
通常の研修では、講師が一方的に話をして、参加者は聞いているだけになりがちです。このように参加者の意識が受け身のままでは、積極的な発言や質問につながりにくくなります。なぜなら、「自分が言わなくても誰かが質問するだろう」と考えてしまうからです。
そこで参加者自身にも、ファシリテーターとしての視点を学ぶ機会を設けましょう。良いファシリテーターは、誰もが自由に発言できる環境を作り、「誰が言った」ではなく「何を言った」のかを重視します。参加者は、こうしたファシリテーターの立場を体験することで、活気のある進行方法や「自由に発言してよい」「発言することに意義がある」ことを学ぶのです。
参加者が「質問が活発に出ることで、研修の内容がより濃密になる」という視点に気づくことは非常に重要です。これまで「こんな質問をしたら講師やほかの参加者に迷惑をかけるのではないか」と遠慮して質問をしていなかった人も、発言や質問がきっかけとなって議論が盛り上がることを体感できるのです。一度質問が出て場が盛り上がれば、それが呼び水となって次の質問や発言も出やすくなります。
また、進行方法や発言しやすい環境作りを学ぶことにもメリットがあります。これまで、参加者側の立場だった人たちも、ファシリテーター役を務めることができるようになります。話の内容によって、いろいろな人がファシリテーターを務めれば、研修の雰囲気も変わるでしょう。グループ研修で、各グループでディスカッションするときなど、さまざまな応用がききます。
「自分は参加者だ」という意識では、どうしても受け身になりがちです。しかし、もし自分が進行する立場だったらと考えることができれば、当事者意識が芽生えます。
そうなれば、これまでよりも研修に真剣に参加しようと考えるようになり、それが質問や発言という形になって現れ、研修の活性化にもつながるでしょう。
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