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メンタル不全を未然に防ぐレジリエンスの高め方

メンタルヘルスの分野では「レジリエンス(Resilience)」という概念があり、精神的な負荷やストレスに対しての回復力や防御力という観点から人事担当者の間でも長く注目されています。 このレジリエンスは、個人によって異なりますが、やり方次第で高めることができるものと言われています。今回はレジリエンスとは具体的にどういったものなのか、どのようにすれば高めることができるのかをご紹介いたします。

日本企業におけるメンタル問題とレジリエンスへの注目

近年の日本国内における自殺者数は徐々に減少していますが、それでも年間2万人を超えます。令和2年中における自殺の状況(内閣府自殺対策推進室 警察庁生活安全局生活安全企画課)によると、原因の第一位は健康問題でした。そのなかには職場内における問題もあるため、企業としてもストレスチェックの義務化がされるなど、メンタルヘルスに関しては注目を浴びています。

そんななか、精神疾患の予防や回復の重要な因子としてレジリエンス(Resilience)という概念が注目されています。レジリエンスは生まれつきの能力ではなく、トレーニングにより誰でも高められることがわかってきています。このレジリエンスを高めることができれば、メンタル不全を予防することができますし、また仮にかかってしまったとしても、従来よりも早く治癒させることができます。

また、レジリエンスはメンタル不全に限ったことではなく、例えば強いプレッシャーやストレスを感じるシチュエーションに出くわした際には、そのストレスをうまく処理し、正常な状態に戻すことができるため、すべての人にとってメリットがあると考えられ、企業などでもレジリエンスを高めるための研修・セミナーを導入しているところも増えてきています。

レジリエンスとは

具体的に、レジリエンスとはAPA 全米心理学会によると、逆境やトラウマ等の重大なストレスに直面しても、うまく適応していくプロセスとされています。このレジリエンスを欧米企業においては、リーダー人材の育成分野で、逆境や苦境から迅速に回復する力として注目されています。

レジリエンスを高める方法はさまざまなものがあり、個々人によって大きく異なってきますが、一般的に考えられているレジリエンスを高めるために重要な要素を紹介します。

レジリエンスを高めるためのトレーニング

自分に対する適切な自己評価、自己分析
何かを言われた際などに、自分を必要以上に低く見積もってしまい、落ち込んでしまうということが続くと、精神衛生上良くありません。また欠点だけに目を向けてしまうことも生産性につながらず、好ましくありません。誰しも完璧な人間などはおらず、得意不得意があります。

レジリエンスを高めるための大切な要素は、現状を受け入れ適切に自己評価を行うことです。まずは客観的に自己を捉える機会を作り、フラットに自分自身を理解することが必要です。

物事をさまざまな角度から捉える、問題解決力
ストレスやプレッシャーがかかる多くの理由は、想定外の事故が起こったり問題が発生したりする外的な要因です。このようなトラブルが起きても、積極的に対処法を探り、解決的な行動をとることができれば必要以上にストレスを感じる必要がなくなります。

トラブルの原因を広い視野で捉え、最も合理的な解決策を講じるように思考することができるようトレーニングすれば自信につながり、うまく進むという前向きな思考に変わり、良い意味で楽観的に業務に取り組むことができます。

安定した人間関係を築くコミュニケーション力、チームビルディング
何か困った際に相談できる相手、信頼相手がいるだけで随分状況は変わります。特に家族など身近な人に心を許すことができないと、ストレスを自分の中に溜め込んでしまうことになります。何か起こった際に話すのではなく、日ごろからなんでも話せる関係を築いておくことが重要です。

レジリエンスを高める研修を社内で企画しよう

職場において、レクリエーションやチームビルディング形式の研修を取り入れることで、直接的な業績にかかわらずとも、社内の人間関係を構築しておくことができます。相談や何気ないコミュニケーションができるきっかけとなり、その結果レジリエンスを高める効果が期待できるでしょう。

社員のレジリエンスを高めることで、メンタル不全を未然に防ぐだけではなく社内全体の風土活性にもつながります。テレワークが広まり社員同士のつながりが薄くなりがちな今こそ、改めてレジリエンス研修を行うタイミングではないでしょうか。

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