イベントにおけるコンセプトは、企画の核となる重要な要素であり、成功を左右するポイントです。コンセプトは、イベントの目的やターゲットにもとづき、参加者に伝えたいメッセージや体験を、具体的な形に落とし込むものです。
本記事では、イベントにおけるコンセプトの詳細に加え、コンセプトを決める流れやポイント、コンセプトを決めるメリットなども紹介します。イベントをどのようなものにするか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみて下さい。
イベントにおけるコンセプトとは
イベントにおけるコンセプトは、成功に向けた明確な道筋を作る重要な要素です。コンセプトがしっかりと策定されているイベントは、参加者に一貫した体験を提供し、イベント開催の目的を効果的に伝えます。以下より、イベントにおけるコンセプトについて詳しく解説します。
コンセプトとは
コンセプトとは、日本語に訳すと「発想」「概念」などという意味を持つ言葉です。ビジネスでは、プロジェクトや企画の方向性、枠組みとして使われます。
コンセプトは、イベントの全体的な方向性を定める重要な要素です。単なるテーマ以上に、イベントが伝えたいメッセージや目標を具体化し、参加者にどのような体験を提供するかを決定する基盤となるのが、コンセプトといえます。
たとえば、参加者に感動を与えたり、新商品の認知度を高めたりすることが目的であれば、それを軸にした明確なコンセプトが求められます。
季節に沿ったイベントで、集客を得ることが目的の場合は、顧客のニーズや流行もコンセプトに組み込むとよいでしょう。
このように、企画やイベントを開催するにあたっての、基盤や骨組みとして機能するのがコンセプトといえます。
コンセプトとテーマの違い
コンセプトと似た言葉に、テーマという言葉が存在します。言葉の意味や使う場面は似ていますが、実はそれぞれに違った意味合いがあります。
テーマは、イベントの主題やメインのメッセージであり、広い視点で捉えられることが多い言葉です。また、テーマはイベントやプロジェクトの在り方に沿って、1つに絞られることが多いです。
コンセプトは、そのテーマを具体的に表現するための切り口やアプローチとなります。たとえば、結婚式で「愛」をテーマにする場合、コンセプトは「永遠の愛」や「二人の新たな旅」といった形で、具体的な方向性を決めるものです。
コンセプトはテーマを補完し、イベントの全体に一貫性を持たせる役割を果たします。1つのテーマの中に、いくつかのコンセプトが存在すると考えるのがわかりやすいでしょう。
コンセプトのあるイベント
コンセプトのあるイベントには、多くのメリットがあります。コンセプトが決まっていることで、参加者に強い印象や満足感を与えやすく、イベント自体の目的やメッセージをより効果的に伝えられます。
念入りに組まれたコンセプトは、スタッフや関係者がイベントの進行を円滑に行うための明確な指針としても機能します。スムーズな進行を行うイベントは、参加者もストレスなく楽しめるため満足度に直結します。
また、コンセプトが決まっていることにより独自性を示せるため、他の似たようなイベントと区別化できます。類似イベントとの区別化により、さらにイベントに興味を持ってもらえる効果があります。
コンセプトのないイベント
コンセプトのないイベントは、全体の統一感が欠け、参加者に対して何を伝えたいのかが不明瞭になりやすいです。たとえば、単に様々なコンテンツを詰め込んだだけのイベントでは参加者は混乱し、記憶に残りにくいものとなるでしょう。
結果的に、イベント自体が目標を達成できないリスクが高まります。また、企画や進行でも方向性のぶれが発生しやすく、スタッフ間でのコミュニケーション不足を招く可能性があります。
参加者がイベントに対して興味が薄れると、スポンサーや広告主がつきにくくなり、収益が減ってしまうリスクも考えられます。会社内のイベントなどでも出席者が減ると、その分参加費が減少してしまうため注意が必要です。
イベントコンセプトを決める流れ
イベントコンセプトの決定は、イベントを成功させる重要な要素です。明確な目的にもとづいたコンセプト設定と、ターゲットのニーズに応じた価値提供が、参加者に強い印象を与えるイベント作りを可能にします。以下に、コンセプトを決めるまでの流れを紹介します。
イベントの目的を明確にする
イベントコンセプトを決定するためには、まずそのイベントの目的を明確にすることが重要です。目的が定まらないと、コンセプトも曖昧になり、参加者に対して明確な価値を提供できません。
イベントの目的は、新商品・サービスのプロモーションや集客、ブランド認知向上など多岐にわたります。たとえば、企業のPRイベントであれば、ブランドイメージを向上させるためのイベントにするか、新製品の販促に重点を置くかが決まります。
目的を明確にすることで、コンセプトが決まった後の企画考案や演出が考えやすくなるメリットもあります。イベントを開催するにあたり、目的を明確にすることは最優先事項と考えてよいでしょう。
目的にあったテーマを選定する
イベントの目的が定まったら、目的にもとづいたテーマ選定をすることが次のステップです。テーマは、イベント全体のメッセージや方向性を示すため、参加者が何を体験し、どのような価値を得るかを明確にします。
たとえば、チャリティーイベントであれば「社会貢献」や「環境保護」といったテーマがふさわしいです。テーマが適切であれば、イベントの一貫性が保たれ、参加者に強い印象を与えることが可能です。
テーマはいくつか設定するのではなく、1つに絞るとよいです。いくつか設定してしまうと、イベントを通して何が伝えたいのか混在してしまい、上手く参加者に伝わらなくなるリスクが生じます。
イベントの本質をよりわかりやすくするためにも、テーマの選定はシンプルかつ簡単なものにするとよいでしょう。
こちらの記事では、企業の周年イベントについて解説しています。開催の目的やアイディアも取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。
ターゲットを決める
テーマが決まったら、次はイベントのターゲットを明確にすることが必要です。ターゲットが決まらない状態だと、参加者に対して効果的なコンセプトの作成が難しくなります。
ターゲットは、年齢層や性別、趣味嗜好など細かく設定することで、より具体的な施策を打てます。たとえば、若者をターゲットにするなら、SNSやインフルエンサーを活用したプロモーションが効果的です。
社内イベントのように、ターゲットの年齢や性別がさまざまなイベントの場合は、あえて細かい設定は避け、食事や飲み物、企画など全員が楽しめるような点に力を入れるとよいでしょう。
ターゲットのニーズに沿った価値を考える
ターゲットが明確になったら、そのターゲットにとってどのような価値が提供できるかを考えます。価値とは、参加者がそのイベントに参加する理由や得られるメリットです。
たとえば、ビジネスセミナーであれば、最新のビジネス情報やネットワーキングの機会が価値となります。ここで重要なのは、ターゲットのニーズを正確に把握し、それに応じた具体的な価値を提供することです。
イベントのテーマやターゲットが特定のジャンルの場合は、SNSやコミュニティなどでニーズの希望を取りやすいため、身近な場所からアンケートなどを実施してみるとよいでしょう。
コンセプトのアイディアを出す
コンセプトのアイディアを出す際には、ブレインストーミングやアイディア発散のテクニックを活用します。
よいアイディアを出すには、制約を設けた短時間でのアイディア出しや、失敗を恐れずにどんなアイディアでも受け入れる環境を作ることが大切です。
イベント企画において、コンセプトのアイディア出しが1番の難点ともいえます。最初からよいアイディアを出そうとせず、思いついたアイディアを次々と出し合い、そこからコンセプトを洗練していくのがおすすめです。
また、ただアイディアを出すだけでなく、ターゲットやビジネスの視点、実現可能性を考慮しながらアイディアを絞り込むことが重要です。よいアイディアが生まれたとしても、実現不可能だとイベントに組み込めないため、複雑すぎるものは控えましょう。
アイディアを出すポイント
アイディア出しには、クリエイティブな発想を促進するための工夫が必要です。「5分以内に10個のアイディアを出す」などの制限を設けることで、短期間で多くのアイディアが生まれやすくなります。
また、異なる視点からアイディアを出すために、ロールプレイングを活用することも有効です。キャラクターになりきってアイディア出しをすることで、いつもの自分の考えとは違う視点のアイディアを出せます。
コンセプトの決定
コンセプトを決定する際にはアイディアを多角的に検討し、最も効果的なものを選びます。ターゲットの視点やビジネス目標、実現可能性などを踏まえた上で、最終的なコンセプトを絞り込むプロセスが必要です。
コンセプト候補を集計し、なるべく多数の人にアンケートを採ることで、さまざまな背景からの意見を取り入れられます。
コンセプトを絞り込むポイント
最終的にコンセプトを絞り込む際には、フィードバックを活用することが有効です。複数の視点からの意見を集め、とくにターゲットがそのコンセプトに興味を持つかを確認することが大切です。
また、数値化された評価や具体的なフィードバックをもとに、最も効果的なコンセプトを選定します。明確さと独自性を踏まえたコンセプトで、魅力的なイベントを作り上げましょう。
コンセプトを絞り込むポイント
最終的にコンセプトを絞り込む際には、フィードバックを活用することが有効です。複数の視点からの意見を集め、とくにターゲットがそのコンセプトに興味を持つかを確認することが大切です。
また、数値化された評価や具体的なフィードバックをもとに、最も効果的なコンセプトを選定します。明確さと独自性を踏まえたコンセプトで、魅力的なイベントを作り上げましょう。
イベントコンセプトの有効的な活用
イベントコンセプトの有効的な活用は、イベント全体の成功を左右する重要な要素です。設定されたコンセプトは単なるテーマではなく、イベントの全体像を形成する軸となります。
この軸がしっかりしていると、企画や演出、プロモーション活動などすべての要素が一貫性を持って進行し、参加者に強いメッセージを届けられます。
また、コンセプトはイベントの各場面に反映させ、一貫した雰囲気を創り上げることも重要です。たとえば、招待状や会場のデコレーション、演出内容、スタッフの服装や振る舞いに至るまで、コンセプトにもとづいた統一感のある演出を行うことで、参加者はイベントのメッセージを深く理解し共感を得られます。
イベントのコンセプトが明確であれば、ターゲット層に対して効果的な戦略が立てやすくなるため、企画運営側の負担も軽減されます。
ターゲットのニーズや期待を踏まえたコンセプトは、イベントの魅力を最大化し、参加者の満足度を向上させる効果があります。
こちらの記事では、企業イベントについて解説しています。イベントの種類と失敗しないためのポイントも取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。
イベント終了後のコンセプト評価・改善
イベント企画をするにあたり、イベントが終了した後もやるべきことはいくつかあります。反省点やデータを分析し、次回につなげる動きを取ることでよりよいイベント作りを可能にします。
以下に、次回開催のイベントにつなげるために、イベント終了後にするべき分析などを3つ紹介します。
参加者からのフィードバック
イベント終了後にまず行うべきことは、参加者からのフィードバックを収集することです。簡単な方法だと、社内アンケートやインタビュー、SNS上でのコメントなど、さまざまな方法で参加者の意見を集められます。
フィードバックを通じて、イベントのコンセプトがどの程度成功したかを把握できます。参加者からのリアルな声を収集することで、次回のイベントに向けたコンセプト改善の糸口を見つけられるのです。
具体的には、参加者がイベントをどのように感じたか、期待通りの体験が提供できたか、改善すべき点はどこかなどが挙げられます。この点がよかった、というプラスの面も次回に取り入れるとイベントの質がより高まるでしょう。
データの分析
フィードバックに加えて、イベントに関するデータ分析も重要です。たとえば、参加者数や再来率、アンケート結果の集計、SNSでの反応、サイトのアクセス数などイベントのパフォーマンスを数値で評価する指標を分析します。
これにより、どの要素が成功し、どの部分が改善を要するのかが明確になります。データ分析は、イベント全体の成功度を測るためだけでなく、次回のイベント計画に役立つ情報を得るための重要なステップです。
会社のイベントなどで、他の仕事と並行してイベントのデータ分析が難しいようであれば、プロのイベント会社に相談するのもひとつの手です。見積もりから親身に相談に乗ってくれるイベント会社も多数存在します。
次回のコンセプトに反映
フィードバックとデータ分析をもとに、次回のイベントのコンセプトに改善点を反映させます。具体的には、参加者の満足度を高めるために、どのような要素を追加・削除すべきかを検討します。
また、過去のイベントでの成功例や失敗例を考慮し、コンセプトをブラッシュアップすることが非常に重要です。イベントの目的やターゲットを再確認し、より効果的なコンセプトを策定することで次回のイベントの成功率を高められます。
参加者から出た要望や不満点をいかに改善できるかという点も大切ですが、今回のイベントはここがよかったから満足できた、といった意見も忘れずに取り入れるようにしましょう。
イベント企画のプロに依頼してみる
イベントのコンセプトに迷ったら、イベント企画のプロへの依頼を検討しましょう。以下に、イベント企画サービスについて詳しく解説します。
イベントの目的からコンセプトを設計してくれる
イベントを主催するにあたって、開催目的は明確であってもどのようなコンセプトの会にするかをすぐ決めるのは難しいでしょう。そういった場合、イベント企画サービスに依頼すれば、目的に応じてさまざまな最適案を考案してくれます。
企画から料理など手配、当日のサポートまで手厚くサポートしてくれるため、何かあっても安心してイベントを運営できます。
コンセプトに合った演出や装飾なども提案してもらえるため、懇親会や社内会などのフォーマルなものから、懇親会などのカジュアルなものまで幅広く依頼が可能です。
アフターサポートもしてくれる
イベント企画サービスでは、業者によってはイベント後のアフターフォローも充実しています。参加者へのアンケートの送付やイベントの振り返りなどを行い、それをもとにフィードバックをしてくれます。
自社開催では、企画と当日の運営だけでも大きな負担となるため、イベント後のフィードバックやデータ分析まで手が回らない可能性もあります。
アフターフォローが充実していれば、一つひとつのイベント開催を無駄にすることなく確実にノウハウを蓄積できます。
FUKURACIAでは、企画から運営まで一括でサポートするイベント運営伴走サービスを提供しています。アフターフォローも充実させ、お客様へのフィードバックも行います。お気軽にお問い合わせください。
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