
報奨旅行(インセンティブ旅行)は、従業員のやる気を高めるためのイベントとして注目されています。優れた業績を上げた従業員に感謝の気持ちを伝えるために、旅行を報酬として提供する制度です。
報奨旅行を企画しようとしても、どのような旅行を計画したらよいか悩んでいる方も多いでしょう。
この記事では、報奨旅行の概要や目的、企画・運営のポイントなどを詳しく説明します。また、報奨旅行におすすめのスポットも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
報奨旅行とは?
報奨旅行(インセンティブ旅行)は、社員・従業員・販売代理店などに与える報酬のひとつです。 企業が目標達成や優秀な成績を収めた従業員に対して感謝の気持ちを表したり、モチベーションを高めたりするために実施されます。
基本的に報奨旅行は全社員ではなく、優秀な成績を収めた方への報酬として実施されることが多いです。費用はすべて会社が負担する形となり、旅行形式で提供される特別ボーナスと考えるとイメージしやすいでしょう。
報奨旅行をいつ開催するかの決まりはありません。毎年開催している企業もあれば、重要な企画を成功させるためのイベントとして活用する企業もあります。いずれの場合にも、旅行を報酬とすることで社員のモチベーションを高める効果が期待できます。
旅行先は、国内外の観光地やリゾート地などさまざまであり、数日間の滞在が一般的です。旅行の費用だけでなく、現地での食事やアクティビティなども含めて提供される場合があります。
ねぎらいや楽しみのために実施される旅行のため、企画をする際にはエンタメ性を重視しましょう。
報奨旅行は従業員の貴重な経験となるだけでなく、モチベーション向上や組織の一体感強化につながる貴重な機会です。企画をする際には事例などを参考に、有意義な旅行となるようイベントを計画しましょう。
報奨旅行の目的
報奨旅行は、基本的に従業員の頑張りに対するご褒美として設定されるため、社員旅行と目的が異なります。報奨旅行の目的は、おもに以下の3つです。
・モチベーションの向上
・従業員エンゲージメントの向上
・コミュニケーションの促進
旅行の目的をしっかり押さえ、企画をするときの参考にしましょう。
モチベーションの向上
報奨旅行の目的として最も大きいのは、従業員のモチベーションを高めることです。仕事を頑張れば特別な旅行に行けるというわかりやすい報酬が得られるため、従業員は売り上げに貢献しようとします。
「仕事を頑張ればよいことがある」という実感を出すために、報奨旅行は非常に効果的なインセンティブです。与えられるだけの報酬と違い、ほかの社員と競い合って旅行を獲得したという特別感も、従業員のモチベーションアップにつながるでしょう。
従業員のモチベーションを報奨旅行で高めるときには、旅行の特別感をアピールするのが大切です。「上位〇名限定」「獲得案件の金額が〇円以上」など、旅行に行ける人は特別という雰囲気をアピールしましょう。
あらかじめ、旅行の行き先や企画内容などを提示するのも効果的です。企画や旅行先をよりイメージしやすくなり、参加する従業員のモチベーションを高めやすくなります。
従業員エンゲージメントの向上
従業員のエンゲージメントを高めるのも、報奨旅行の目的です。日頃の頑張りに対しまったく報酬がない場合、従業員はやる気をなくしてしまいます。報酬旅行を設定することで、従業員は「企業が自分に気をかけてくれている」と自覚しやすくなるでしょう。
特別な企画で実施される報奨旅行をきっかけに、企業へのエンゲージメント意識が高まる可能性は高いです。普段の社員旅行と異なる旅行報酬を用意して、従業員の意識をよい方向へ変えてみましょう。
コミュニケーションの促進
優秀な従業員同士のコミュニケーションを深め、交流をうながせるのも報奨旅行のメリットです。日頃は社員同士の交流のない企業ほど、このメリットは享受しやすいでしょう。
リモートワークなどが普及してきた昨今、優秀な社員同士の親交を深める機会が少なくなりつつあります。報奨旅行を設定し、ハイレベルな社員を集めて交流を深めることで、会社の結束感をしっかり高めましょう。
ともに非日常を楽しむことで、従業員の結束を高め、結果的にプロジェクトの成功率アップへとつながるでしょう。
報奨旅行の企画・運営のポイント
成績上位者などの限られた従業員に与えられる報奨旅行は、企画や運営をする際にもさまざまな消費が必要となります。報奨旅行を企画する立場になったら、運営の際には以下の点に注意しましょう。
・不公平感をださない
・参加者に配慮する
・参加の強制をしない
従業員全体に配慮して報奨旅行の計画を立てれば、不満を少なくできるでしょう。各ポイントをこれから詳しく解説するので、報奨旅行を企画する際の参考にしてください。
不公平感をださない
報奨旅行は売り上げ成績の上位者など、一部の従業員のみにプレゼントされるものです。ほかの従業員が不満を持たないよう、参加者の選定に関する基準やプロセス、発表形式などは明確にしておきましょう。
選ばれなかった従業員に対する配慮も報奨旅行を決める際には重要です。旅行内容があまりにも豪華すぎる場合、選ばれなかった社員のモチベーションを大きく落とす危険性があります。世界一周旅行などの、大きすぎる報酬は避けるほうが無難です。
労りと感謝の気持ちを忘れないよう企画を立て、従業員のモチベーションを引き出しつつ、公平に頑張りを評価できる仕組みを整えましょう。
参加者に配慮する
旅行中は、参加者の個別の事情や要望を理解し、配慮することが大切です。報奨旅行に選ばれた方には、必ず事前に聞き取りを実施しましょう。健康面の不安やアレルギー、家族の都合などを考慮することで、より多くの参加者が楽しめます。
また、家族連れで報奨旅行ができるような仕組みを整えるのも効果的です。家族同伴のインセンティブツアーを実施する場合、子どもも楽しめるようなコースやメニュー、場所などを用意するとよいでしょう。
参加の強制をしない
従業員のなかには、家庭の都合や人間関係の不安などで報奨旅行に参加したがらない方もいます。よい成績をおさめたとしても、参加したがらない方が現れたときには、参加を強制せず意志を尊重しましょう。
報奨旅行は日頃の行いを評価し、従業員のモチベーションを高めるために必要なものです。しかし、参加したがらない社員に無理やり旅行をすすめると、かえってモチベーションを下げる可能性があります。
誰かが参加を取り下げた場合の対応も想定し、計画を立てておきましょう。参加を強制するのではなく、参加したいと思えるような旅行を計画することが大切です。
報奨旅行におすすめの場所
報奨旅行を魅力的なものにするためには、従業員が喜ぶ旅行スポットを押さえておくのも大切です。とくに人気がある旅行地を押さえておき、報奨旅行の魅力をしっかり高めましょう。報奨旅行の定番であり、おすすめの場所は以下の3つです。
・リゾート地
・温泉
・アウトドア
各おすすめスポットの特徴やメリットなどを解説します。
リゾート地
特別感を演出する旅行スポットとして人気なのが、リゾート地です。とくに旅行を楽しむ機会が少ない若年層にとっては、リゾート地への旅行そのものが新鮮な体験となります。ゆっくりと過ごせるため移動などが少なく、中年以降の従業員にも人気のスポットです。
リゾートは、基本的にリフレッシュを目的としているため、気負いすることなく報奨旅行を楽しめるのもメリットです。リゾートでおいしい食事を食べたりスパを満喫したりして、心ゆくまで体を休めてもらいましょう。
温泉
のんびり過ごせる国内の温泉地も、報奨旅行におすすめの場所です。とくに体の疲労感などが気になる中年以降の従業員の方に人気があります。温泉地でゆっくり過ごして、肩こりや腰痛など気になる体の不調を改善してもらいましょう。
温泉旅行を選ぶ際には、会社の所在地からの距離もチェックしておくのがおすすめです。遠方の旅館などを選べば、いつもと違う場所での旅行で特別感を得られます。その地域の珍しい食材を使ったメニューなどを心ゆくまで楽しめるでしょう。
必要に応じて各地の秘湯巡りなどのツアーを組むのもおすすめです。
近くの温泉旅館を選べば、移動などに時間と体力を使わずに済みます。従業員の多くが高齢であり、体をいたわる必要があるなら近くの温泉を報奨旅行の開催地にするのもおすすめです。
アウトドア
アクティブな従業員が多い会社なら、アウトドア企画を組むのもおすすめです。バーベキューなどで結束を高めながらイベントを楽しんだり、絶景スポットを巡り非日常体験を楽しんだりするツアーは人気があります。
近年では、道具などを用意しなくてもアウトドアを楽しめる、グランピングを用意した旅行パックもあるため、手ぶらで報奨旅行を楽しめるでしょう。
アウトドア系の報奨旅行を企画する際には、従業員が体力を使ったアウトドア企画を好むかの事前チェックをするようにしましょう。リゾート地・温泉旅行と異なり、体を動かす企画には向き不向きがあります。
インドアの従業員が多い場合は、旅館などでくつろげる旅行を企画するのがよいでしょう。
まとめ
報奨旅行は、従業員のモチベーションやエンゲージメントを向上する効果があり、社内のコミュニケーションを活発にするよい機会です。また、チームワークの強化にもつながり、従業員同士の信頼関係を深められます。
こうした取り組みは、会社全体の士気向上や、働きやすい職場づくりにも役立ちます。
しかし、報奨旅行の企画は手間がかかると感じる方も多いでしょう。旅行を魅力的にするだけでなく、すべての従業員に配慮し、観光地の選定など細かな点にも気を使う必要があるため、大変な作業です。
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